プレミアムチョコレートをフィリピンに

企業名LOTTE CONFECTIONERY PILIPINAS CORPORATION

業務内容ロッテ商品の輸入・販売

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利用用途:日報、売り場管理

 


コアラのマーチ、ガーナチョコレート、パイの実、トッポなど、チョコレート菓子を中心に数多くの商品を展開する日本の超有名菓子メーカー、株式会社ロッテは、70以上の国々で200種類以上の同社菓子商品を販売している。アジアには、タイ・インドネシア・ベトナム・台湾・マレーシア・フィリピン6ヶ国に海外グループ会社を持ち、その一つが今回取材したLOTTE CONFECTIONERY PILIPPINAS CORPORATION.(以下ロッテ・フィリピナス)である。

ロッテ・フィリピンは2009年にロッテ製品の輸入販社として設立された。設立から約6年、フィリピンでの売り上げを着実に伸ばしている。ロッテ商品の魅力とフィリピン市場における同社の動向に迫るべく、ロッテ・フィリピナスNational Sales Marketing Manager町浦氏にお話を伺った。 

LOTTE CONFECTIONERY PILIPINAS CORPORATION

National Sales & Marketing Manager

Mr. TAKAMASA MACHIURA

会社概要 ~フィリピンにプレミアムチョコレートを~

数多くあるチョコレート関連菓子には、チョコレートの主原料であるカカオマスとカカオバターを多く使った「チョコレート菓子」と、カカオ成分の代わりに植物油脂などを多く配合した「チョコレート風味の菓子」製品がある。カカオは高価な材料であることから、フィリピンでは植物油脂を多めに含んだ「チョコレート風味の菓子」商品がほとんどだ。一方、ロッテの商品はカカオ分を多く含む「チョコレート菓子」をフィリピンで提供している。フィリピンでも日本同様に高品質のプレミアムチョコレートを展開しているのだ。

商品認知率80%を達成

日本でロッテと言えば「お口の恋人」のキャッチフレーズでも知られている著名なブランドだ。だが、フィリピンでのロッテの知名度はまだまだ高いとは言えず、「チョコレート風味の菓子」がフィリピンでは一般的であるのが現状だ。

 

プレミアムチョコレートである「チョコレート菓子」の展開のためにロッテ・フィリピンは地道な活動で知名度向上を行っている。

例えば、高品質・高価格である「チョコレート菓子」のターゲットであるオフィスワーカー層が働くビルでサンプル配布を行う。サンプル配布を行うことにより、「チョコレート菓子」のおいしさを実感してもらうのだ。

これらの地道な活動により、ロッテ・フィリピナスの代表的な商品の一つである「PEPERO」のブランド認知率は約80%になった。

※認知率:指定された商品名を知っている人数の割合。

認知率を上げて、「チョコレート菓子」を展開していく過程は地道な努力の積み重ねだ。背景には日本とフィリピンとの商慣習の違いがある。

日本では、スーパーマーケットに商品を卸したら店舗スタッフの方が段ボールを開封し商品棚に陳列してくれますが、フィリピンではそういうわけにはきません。開封されることなく賞味期限が迫った商品が段ボール未開封のまま大量に返品されてきたこともありました。」(町浦氏)

 

このような商慣習に適応する手段の一つとして、多くのメーカーが選択するのは現地に精通した代理店(ディストリビュータ)と協業する方法だ。しかし、ロッテ・フィリピナスは自社で直接販売活動を行う戦略をとった。商品や販促活動をコントロールしやすい状態に保つ為である。

販売活動を自社で取り組むということは、6,000店舗以上の小売店にあるロッテの棚の管理も自社で行う必要があるということだ。

まず、マーチャンダイザーと呼ばれる店舗巡回スタッフを400名ほど採用し、スーパーやコンビニエンスストアにおいてロッテ商品が陳列される商品棚の管理を徹底する。品出しの徹底はもちろんのこと、お客様の目線を考えて、どこに・どのように商品を陳列すれば売りたい商品の販売数が伸びるのかなど、ロッテが集約した販売ノウハウやテクニックがマーチャンダイザーに叩き込まれる。マーチャンダイザーの活動は、ロッテ・フィリピナスの営業社員が巡回し監督・改善していく。こうして「売れる売り場づくり」を徹底している。

返品の考え方も、日本とフィリピンでは大きくことなる。物流の事情で返品のカウントができていないため、店舗から送られて来る返品の請求書だけを「正」とするしか方法がない状況だ。

また、返品までの間に、店・物流会社・倉庫において商品が紛失するケースも多々あるが追跡は実質不可能だ。日本での平均返品率に対し、フィリピンでの返品率はかなり高く、町浦氏着任当初201216%であった。状況を整理し、データを活用して現在は5%にまで改善した

しかし、そのような活動にも課題はあった。

棚の状況を確認するには、ロッテ・フィリピナスの営業担当が各店舗を巡回する必要があった。大小合わせて7,000以上の島々があるといわれるフィリピンで6,000店舗に及ぶ販売店への販売をいかに効率的に管理するかが肝である。

本部は週次で報告を受けていたが、市場の動向をいち早くキャッチするには1週間に一度の報告では遅すぎた。また報告方法も書類の提出だったため、本部マネージャーは社外から確認することができない状況になっていた。

 

このような状況を改善するために kintone を導入した。

kintoneの導入

「kintoneを導入した現在は、営業社員が店舗巡回を実施したその日の内に報告を受けられるようになり、リアルタイムの状況を知ることがきる為、データの鮮度がった」と町浦氏は語る。

kintoneの導入でその日のうちに、早いときはリアルタイムに店舗巡回報告を受けること可能となった。多くの店舗を掛け持ちする営業社員にとって、kintoneでの報告は作業負荷とストレス軽減にもなったという。

 

 

kintoneの統一フォーマットを利用することで店舗毎のデータ比較容易になった。

陳列棚の写真を撮影しkintoneにアップロードして社内で共有してすることで担当者とマネージャー間で認識齟齬なくコミュニケーションを図ることができるようになり、大いに役に立っているという

また、マーチャンダイザーの離職に備えて、バイヤとの間で交わされた会話記録をkintoneに残している。以前は電話のやり取りを原稿に起こし印刷・提出させていたが、実際の状況とタイムラグも発生するため不安があったが、kintoneに移行した今では、遅くとも翌日には報告を受けるようになった。

 情報の価値が以前よりも確実に上がった。

今後は、スケジュール管理地図機能を連携して使用するなど、さらに活用していく予定である。

今後の展開

ロッテ・フィリピナス市場戦略について町浦氏はこう語る。

「ブランド認知率ではなく、ブランド想起率をあげていきたい」(町浦氏)

ブランド想起率とは、例えば「チョコレートといえばロッテ」というように、製品ブランドにおいて代表的な存在として消費者に浸透しているかどうかを図る指標である。ロッテのブランド認知率は上がってきたものの、ブランド想起率はまだ高いとは言えない。しかし、これも着実に伸びてきている。

 

これからも地道なビジネス展開を進めていくことで、ロッテの「チョコレート菓子」が日本と同様にフィリピンでも一般的になっていくだろう。その時は「チョコレートといえばロッテ」と誰もが答えるに違いない。