なぜここまで支持されるのか。 ベトナム最大の日系会計事務所I-GLOCALの秘密に迫る。

                                             会社名I-GLOCAL CO., LTD. 

                                  事業内容:コンサルティング業務

                                  利用サービス:kintone on cybozu.com

                                  利用用途:勤怠管理・メルマガ配信管理など

I-GLOCAL CO., LTD. (以下I-GLOCAL) はベトナムで一番初めに設立された日系の会計事務所である。

2,500社と言われる在越日系企業のうち、700社超と取引をしており、現在数十もある日系会計事務所の追随を許さない。

なぜそこまでI-GLOCALが支持されるのか。

その秘密に迫る。

Partner 實原享之氏(左)

Deputy General Director Tran Nguyen Trung 氏(右)

若いベトナム人の日系会計事務所

I-GLOCAL最大の拠点であるホーチミンオフィスに入ると、そこが日系の会計事務所と気づく人は少ないのではないだろうか。

従業員のほとんどが若いベトナム人スタッフなのである。 全社250人の従業員のうち、日本人は10名のみ。 5%に満たない。

これがI-GLOCALの強みだと社長の實原氏は語る。

I-GLOCALTrung を筆頭に、経営に携わり日本語が堪能なベトナム人幹部が多くいます。

ベトナムのコンサルティング業界は書類ももちろん全てベトナム語ですし、役所とのやり取りにも日本人が出る幕はありません。そのため、現場に強いベトナム人スタッフがそろっていて、彼らが直接お客様にアドバイスすることが日系企業にご支持いただけている理由だと思います。」

 

さらに驚くのはその若さだ。

ベトナム人スタッフは基本的に新卒採用なのだ。在越日系企業では非常に珍しい。

「ベトナムではまだどうしても不正などが起こり得ます。スキルに加えてI-GLOCALの企業文化を植え付けるには新卒採用が一番なのです。」

 

さらに"原則 3 年で辞めてもらう"ルールがあるそうだ。

「例えば 22歳で新卒入社した 25 歳も、他の会社の 25 歳の人に比べて圧倒的に成長してもらえるという、新卒を育てるノウハウには自信があるんです。 ただ組織構成を考えると全員に出世を約束することはできないんです。 だから、エクセレントで残ってくれる特別な場合を除いて、3 年間残ってくれた人は次の会社を紹介することを約束しています。」 (實原氏)

 

弊社の顧客は 700 社、日系企業のなかでも優良な企業に恵まれています。その中でI-GLOCAL 3 年間働いた人材のニーズは高く、紹介の順番待ちが起きています。そして弊社の元スタッフが顧客の経理部長や経理課長になります。もちろん短期的にはせかっく育てた人材を失い、売上も減るというデメリットはあるのですが、長期的にお客様といい関係を築けます。

また、I-GLOCALは人材教育とキャリア構築に真剣に取り組んでいるというブランドが、優秀な学生の応募につながってきています。」 (實原氏)

700 社の顧客基盤はどのようにしてできたのか

2010 年からの 3 年間が日系企業ベトナム進出の最後のラッシュだったんです。大手企業が『これからはベトナムだ!』と、製造業や商社など本当にたくさん進出しました。進出に伴い仕事はどんどん取れるから、目の前のお客さんにとにかく集中していました。 だから特別な営業はまったくしていないのです。

目の前のお客さんにとにかく集中することによって、紹介が広がっていきました。」 (實原氏)

「仕事はどんどんくるからスタッフにもやってもらわないといけないし育てなきゃいけない。2010年からの、あの3年間でがむしゃらにやっていたら結果的にそれなりの教育制度ができました。それをその後の3年間で洗練させていって今の形ができました。」と實原氏は語る。

強みが強みではなくなる

I-GLOCALの強みは顧客数が多いことです。たとえば税務調査についての相談を顧客から受けても、他社の対応状況からアドバイスが可能です。しかし顧客が増えてくることで、一人のコンサルタントが全顧客を把握できなくなってきました。そうすると他社の状況がわからなくてアドバイスができなくなってくる。今までの強みが強みでなくなってきたのです。効率よくノウハウを貯めるためにシステム化する必要がでてきました。」

I-GLOCALでは毎週ベトナムの法律に関するニュースレターを出している。

それを四半期に一度それぞれの顧客に関係ある内容だけ抽出して、重要順に縦列して、さらに対応策もつけてお送りする仕組みを作った。

「営業は主に私が担当していますが、大事なのは契約後の顧客との関係維持なのです。きめ細かい対応こそが長期的には力を入れないといけない部分です。現在の顧客数を考えると、ある程度組織として対応しなければいけない状態になっていますね。」 (Trung)

人材育成のための社内教育のノウハウをセミナー化して、顧問契約先のスタッフ育成にもつなげている。

「まず自分が働く時間を減らしたい。その一方で全部自分が把握したい。スタッフの業務を効率化させたい。そしてスタッフも早く帰れるようにしたい。人数も減らしたい。という飽くなき欲望があるので、それをやるためにいろんな施策を実施している中の、1つが kintone でした。」とTrung氏は語る。

「シンプル・オープン・スピーディー」のための kintone

「基幹システムは数年前から導入して業務改善にも大きく貢献していますが、柔軟性が足りない部分もあったため、紙やエクセルを利用して行っている業務がありました。それを kintone に移行したのです。

僕らのモットーは『シンプル・オープン・スピーディー』で、オープンにできるものは全部オープンにして、だからしっかりやらないといけないよという覚悟をスタッフに持ってもらっています。社内の情報を柔軟にkintone でスピーディーにオープンにできるのはよいですね。

 

情報がすべて見えるので、『今どうなっているのか』 とか 『この部分が期限なのにできてないよね』 という議論ができるようになりました。みんなの意識がより高くなりましたね。

あとはスピーディーに情報収集ができるようになりました。 自分のレコードだけをいれておけば集計できるので、これは大きいですよね。」 (Trung氏) 

もとは2~3日かけていた勤務時間の集計。今は1時間で、さらに正確になったとのこと。

「業務が増えるからと言って管理部門を増やすわけには行かないので助かります。」 (Trung氏)

改善は指示してできるものではない~kintone が改善のプラットフォームに~

「スタッフに利用を強制するのではなく、彼ら自身が自らの問題を解決するために、自らアプリを作って利用するできるのが kintone の良いところです。最初はもちろん大変でした。『こうしたいけど作れません』と言われましたよ(笑)。今は簡単なアプリであれば、どのスタッフでもすぐに作れるようになってきています。

改善というのは、僕たち経営者が『やりなさい!』と言っても実現できるものじゃないと思うんですよ。

業務改善のためにどんなに素晴らしいシステムを入れようと思っても、スタッフからは拒否反応がでますし、共感がないと実現できないと思います。」 (Trung氏)

「『これがあったら自分たちの仕事も減るよね』と自分たちで実感することが改善のサイクルを生むのだと思います。kintone を利用することで改善の成功体験を経験したその一歩が大きいと思っています。

kintone は「変化に応じ自分で柔軟に対応できるプラットフォーム」というイメージで良いですね。」 (Trung氏)


法令などを社内で整理した社内向けFAQ(左上)と出張申請(右上)。このようなアプリはスタッフ自身で作成し、業務改善を進めている。

「ただ、どんなシステムを導入しても、そのシステムの趣旨に共感してくれる人が不在だと機能しないと思います。基本的にI-GLOCALではプロとして仕事をしている人が正しく評価されることを是としていますし、働いている人も一人一人がプロとして仕事をしていることを正しく評価されたいという希望があります。 『仕事をやっているフリをすることに力を出して、仕事以外の点で、上司等に高い評価をされたい』という人材を間違えて、高い評価をし続けると、本当に仕事をして仕事で貢献している人のモチベーションが下がります。kintoneの導入で、既存システムに加えて、仕事をしている人の見える化がよりタイムリーに全員に共有されることで、正しく評価をするということにもつながると思います。」 (Trung氏)

今後の展望 ~「ベトナム」の会計事務所として~

「会計事務所の枠にとらわれないサービスを広げていきたいと思っています。

例えば5年前からはじめた研修ビジネスです。新卒を育てるI-GLOCALのノウハウを提供するそれ自体がビジネスになっています。また、今年からCo-working space という、カフェのような空間で働く場所の提供を開始しました。I-GLOCAL の強みを生かして様々なサービスを展開していきたいですね。

 

最後に、これはかなり先の話になるかもしれませんが、日系企業以外にもサービス提供をしたいと考えています。日系企業はご要望のレベルが非常にたかいので、そのサービスレベルを極めることで日系以外にも評価いただけると思っています。まずは欧米系やシンガポール、台湾、韓国の会社ですね。将来的には、やはりベトナムの会社にサービスをつかっていただきたいですね。」 (實原氏)

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