口コミだけで取引台数が10倍に!?躍進するベトナムのドライバー付レンタカー「GREEN LEAF」 のサービスを支える情報管理システムとは。

会社名: GREEN LEAF VIET NAM CO., LTD

事業内容:ドライバー付レンタカーサービス

利用サービス:kintone on cybozu.com

利用用途:配車管理、ドライバー管理、顧客管理などなど


代表取締役会長兼社長  Tran Quoc Tuan氏 (写真左)

副社長  福田昌志氏 (写真右)

GREEN LEAF VIET NAM CO., LTD(以下GREEN LEAF)は、ベトナムの南部ホーチミン市を中心としてのドライバー付レンタカーサービスを行う企業だ。ベトナムにて法人を持ち、毎日の通勤や営業の足として便利に利用されている。設立から4年で、300以上の車とドライバーを保有するまでに急成長してきたが、規模の拡大の中でサービスの品質を支えているものは一体何なのか、 Tran Quac Tuan (チャン・コク・タン)氏と福田氏に話を伺った。


会社概要

GREEN LEAFのドライバー付レンタカーサービスの始まりは、Tuan氏が大学卒業後に設立したシステム会社だった。2011年、そのクライアント企業のグループ会社がベトナム進出をし、車とドライバーを出してくれないかという依頼を受けた。ノウハウはなかったが、日頃の付き合いも深かったこと、またこのサービスに将来性があると直感したTuan氏は快諾、車を購入、ドライバーも雇用してサービスを始めた。その後、次々と日経企業がベトナムに進出。取引先からの紹介で、送迎依頼の引き合いが増えるにつれ、ベトナムでのレンタカー市場へのニーズを確信。真剣に体制、投資を検討し、2013年に今のGREEN LEAFを設立。今では300台のレンタカーを保有する企業となった。

 

GREEN LEAFのメインの事業は、法人向けの長期ドライバー付きレンタカーサービスだ。ベトナムに進出している日系、欧米企業を中心に、顧客の要望に応じた車とドライバーを組み合わせて、サービス提供している。

 

「日本人の福田と、ベトナム人の私がいることで、日本人の考え方と、ベトナム人の考え方の両方が一つ会社に在る。というのが私たちの強みだと思います。日本とベトナムは、言葉、文化、習慣、常識、サービスへの考え方が大きく異なっています。私も日本に6年間住んでいましたが、全て分かっているわけではありません。逆に、福田もベトナムに4年間住んでいますが、全て分かっているわけではありません。会社として、日本人のお客様に対しての説明や、ベトナム人のドライバーへの指示を伝えると時、伝えるべきメッセージの内容は二人で考えて決めます。ただ伝える時は、日本人に対しては福田が行い、ベトナム人に対しては私が行います。なぜなら、正しく伝えて、正しく理解していただくことが大切だと考えているからです。言葉や文化の壁があるからこそ、それをどう理解して超えていくかを、一緒に仕事を通じて進めていけているのが、我々の特徴です。」(Tuan氏)

 

現在では、広告宣伝や新規営業活動は行っていない。顧客が増えた要因は、クライアント企業からの紹介による口コミだ。

 

「我々の契約のご担当者様は、日本人の代表の方もいれば、ベトナム人の総務・管理部長の方もいらっしゃいます。ベトナム人の方も、横の繋がりも強いようで、他社の同じポジションの方と仲が良い場合が多く、『いいレンタカー屋さんないか?』という話になると、 GREEN LEAF と言って、紹介していただいているようです。」(福田氏)


ベトナムローカルを含めて、ドライバー付レンタカー企業が多いなかで、なぜ顧客はGREEN LEAFを検討するのか。

 

「一番の大きな点は、私たちは、ドライバーが全員自社社員であり、車両も全て保有・管理しているからです。ベトナムでは車両の購入は高く、またドライバーを雇用している企業は少ないため、一つの会社で長く働くという考え方は、あまり一般的ではないため、離職率も低くはないです。しかし私たちは、高品質なサービスを提供したいという思いより、敢えてそのリスクを取るという選択をしました。お客様にお話をお伺いすると、それまで契約していたレンタカー屋さんは、ドライバーも車も別の会社にお任せしていたというパターンが多いです。そのため、改善要望を出しても、なかなか改善されないということに不満を感じていたとのことです。

 

ドライバーが真面目に業務に取り組んでいても、文化、習慣の違いから、お客様から苦情をいただくこともあります。その中で私たちは、ドライバーを社員として雇用しているため、改善を実現できる体制があります。その改善へのスピードの早さと、その体制があるから推薦してくれていると思っています。」(Tuan)

 

サービスの質にこだわっているからこそ、高品質なサービスを求める企業から、 GREEN LEAFに問い合わせが殺到しているのだ。

 

口コミが広がる背景にはGREEN LEAFの3つの取り組みがある。

ドライバーの採用と教育、安全と快適のための車両管理、そして多岐に渡る膨大な情報を一元管理する仕組みだ。

 

第一にドライバーの採用と教育だ。

毎日の通勤で利用が多いため、ドライバーと顧客はほぼ毎日顔を合わせることになる。また車を運転するということは、安全運転が第一だ。そのため、ドライバーの運転の実技試験と、英語の試験は、Tuan 氏・福田氏が行うほどの徹底ぶりだ。また、いつも利用するルートを覚えるなどの基本スキルの教育も、必ず現地まで実際に車を運転して行き、覚えさせるようにしている。

GREEN LEAFでは、約100に及ぶルールがあり、その一つ一つが、具体的な状況を想定してのルールとなっており、入社後は全てのドライバーがその教育を受けることになっている。ルールが具体的になっているからこそ、ドライバーも正しく理解しており、苦情を受けた時も、具体的に何が悪かったのかが、本人も分かるようになっているのだ。

 

ただし、ドライバーを厳しく管理するだけでは、サービスの質は維持できない。

 

「車はお金があれば何でも用意できますが、人間はお金だけで動かすことはできません。ドライバー一人一人がそれぞれの環境があり、背景があり、考えていること、求めていることが違う。どうやって優秀なドライバーを採用し、彼らを確保し続けるかは、私たちのサービスではとても重要です。そのために、会社としてドライバーのために出来ることは、全部やってあげないといけないと考えています。」(Tuan)

 

「ドライバーの冠婚葬祭には、呼ばれれば必ず行くようにしています。呼ばれなくても、勝手に行くこともあります。ドライバーのご家族の方にも、実際に社長や私を見ていただくことで、ちゃんとした会社で働いていると、安心していただきたいと思っています。」(福田氏)

 

ドライバーへの待遇も徹底している。スキルアップに伴う昇給や、業務の難易度に応じての特別手当も用意しているが、特徴的なのは保険だ。ベトナムのレンタカー業界では、待遇として保険への加入を示しているものの、実際に保険加入を行っている企業が多くはないのが現状だ。しかしそれでは病気やケガの際に、ドライバー個人の負担が発生する。実際に他社で働いていたドライバーは、保険未加入であるための不安から、安心を求めてGREEN LEAF に面接に来ることもあるのだ。

ドライバーからの不満もTuan氏が、直接SMS/電話などで受け入れる環境を作っている。

二つ目の安全と快適のための車両管理も、80台以上の車両収容可能な駐車場を複数保有し、予備車両も保有しているGREEN LEAFだからできることだ。車は乗れば壊れたり、汚れたりするのだ。GREEN LEAFは、車両に不具合があれば、すぐに代わりの車両を用意して、その車は修理に出すことが出来る。また、自社管理のため、定期メンテンナンスも管理も可能だ。

同社の管理駐車場


駐車場には、水圧洗浄機や、業務用の掃除機も完備しており、掃除道具も全て会社より支給している。ドライバーは駐車場に戻れば、清掃が出来るため、車両を綺麗な状態で維持することができるのだ。

しかし、これだけでは高品質なサービスの提供はできない。GREEN LEAFが高品質なサービスの提供を実現している秘密が、3つ目の多岐に渡る膨大な情報を一元管理する仕組みだ。

 

「私はもともとITの人間なので、立ち上げの時から、会社が大きくなると、システムを使って情報を管理しないとだめだと考えていました。システムで管理すれば、事業規模が大きくなっても、そこまで人を増やさなくて済みますし、人が少ないということは、それだけミスコミュニケーションも減りますので、それもお客様への良いサービスに繋がると考えていました。」(Tuan)

 

「社内では英語でコミュニケーションしていますが、お互い母国語ではないですし、英語能力もみんなバラバラです。その中で、人が増え続けると、伝言ゲームのようにミスコミュニケーションが起きるのは明白でしたので、私も早い段階からシステム化には賛成でした。」(福田氏)

 

今の GREEN LEAFの情報管理の仕組みはこうだ。

車両の情報、ドライバーの情報、お客様の情報、実績と予定の配車の情報、お客様からのクレーム情報、契約情報、ドライバーの勤怠情報など、様々な情報があふれている。これをExcelで記録し、共通する情報を紐づけて管理することは不可能だ。

しかしシステムを利用すれば、例えばドライバーの「Nguyen」さんの情報を開けば、「Nguyen」さんに関連する個人の情報、勤怠実績、担当した案件、クレーム、給与などが一覧ですぐに確認できる。これにより、顧客からの問い合わせがオフィスに入っても、電話を受けたスタッフが情報をすぐに把握できるため、スムーズな対応が可能になる。

 

これらの仕組み化されたバックオフィスは営業ツールにもなっている。

 

「欧米系の会社は、社内の管理体制もよく調べますね。私たちが営業時に正しく管理していると説明していることは、具体的にはどのように管理しているのか確認を求めてきます。そこで、ビジネスプロセスがあるシステムをパソコンの画面で見せて、実際の業務フローを説明して、納得していただいております。」(福田氏)

 

「我々の管理を見ると視察にきたお客様が感心しますね。まだ紙文化の残るベトナムで、またレンタカーという古くからある業界で、これだけシステムで管理している会社があったのかと。特に、ボタン一つで、集計データの一覧が表示され、これで分析しています。とご説明すると、そこもポイントになって、契約に至ることもありました。」(Tuan氏)

 

これらの情報管理を支えているのが「kintone」だ。

ビジネスの拡大に伴い最適な管理体制の模索

レンタカー事業を始めて、車両が50台を超えることから管理の煩雑さに困難を覚えていた。最初はExcel で、その後は市販のツールを使っていたものの、問題は解決できなかった。

 

それが 「kintone」 を利用することで一度に解決した。

 

「実務に合った業務アプリが簡単に作れるというのがすごいなと思いました。あとインターフェースがすごく見やすい。テーブルごとのリンクさせる対象とか、いろんなレポートもすぐ作れる。アプリを作るのもすごく楽しい時間でした。」(TUAN氏)

kintoneトップ画面  

過去の履歴を使って最適な提案を

kintone を開くと様々な情報が目に入る。

車の情報、ドライバーの情報・苦情・顧客情報 それらの情報が整理されて目に入る。緊急性が高いものは通知がされる。

 

ドライバー付レンタカーサービスといっても、単に車で顧客を運ぶだけが仕事ではない。要望に応じたドライバーと車の最適な組み合わせを行わなければならない。またそのためには、ドライバーの過去の実績も必要だ。車、ドライバー、顧客、過去の実績、一台配車するにも、必要となる情報は膨大だ。それが一日に何十件も毎日発生している。

 

「手配以外にも、配車実績の傾向や、ドライバーの評価のために必要な情報を集計しようとすると、本当にたくさんの情報を取ってこないといけません。またそれらの中で関連した情報は紐づけられて管理しなくてはなりません。その組み合わせを考えると、すごい数になります。」(Tuan氏)

 

ドライバーの入社や新しい契約等、常に情報も変動があります。その時に、20人近く悔いる管理スタッフ全員が、すぐにその情報がわかるのですよ。通知がくるので。」(Tuan氏)

 

最も重視している顧客からの苦情は、新たに入り次第、すぐに通知が通知されるようになっいる。そうすることで、顧客からの意見や改善要望は、必ず全員が目を通すことができ、改善に向けた活動を、共通認識を持って、素早く行えるのだ。

 

「抜け漏れなく、適切なタイミングで、適切な対応がとれる。そういうところで我々のモットーとしている『安全・安心・快適』をkintoneが支えてくれているかなと思っています。」(福田氏)

 

詳しく見ていこう。 

ドライバーリスト

現在でも車300社、ドライバー300人、顧客150社、顧客の担当者200名。

これらの情報を整理してみることが可能になっている。

ドライバーには同じ名前が多いため、写真も一緒に保存し作業ミスを回避。電話番号はクリックすればスマホからすぐに電話がかけられる。

ドライバーのタイプ、話せる外国語、いつ入社するのか、あと過去どこの会社で働いたのかとかも全部書いてあるし。その人の過去1ヶ月の担当した実績や、コンプレインなど、全部が一覧で、一瞬で出てくるんですよ。」(Tuan氏)

kintone上には、配車の情報、実績、お客様からのクレーム情報、ドライバーの勤務情報、給与情報など、様々な情報があふれている。必要な情報に最短距離でアクセスするために、車、ドライバー単位ですべてのアプリの情報を串刺しで確認できるようなマスタアプリを作った。例えばドライバーのマスタアプリを開けば、そのドライバーに関連する実績、給与、勤務情報などが一覧で確認できるのだ。

Spot Booking

たくさんの選択肢の中から、より高いサービスを提供するために活かしているのが、過去の履歴だ。

 

「例えば、お客様に『一ヶ月前は、出張者用に対応してくれたドライバーはいい人だったよね』と言われたとき、kintoneのアプリを確認すれば、すぐにどのドライバーのことか分かるですよ。だから、手配にかかる時間もとても短くなりました。」(TUAN氏)

スポット予約情報がまとまった「Spot Booking」アプリでは、どのドライバーが、いつ、どの顧客を、どこから乗せたのか、また売上金額などの情報がすべてまとまっており、問い合わせがあれば簡単に検索ができる。

ドライバーリストでは各ドライバーに関連する実績データなどを紐づけて表示し一目で確認できる。

今後の展望

今後は日系企業だけではなく、欧米企業との取引も拡大していく方針だ。すでに顧客の3割は欧米企業であり、その全てが顧客からの問い合わせからだ。日本の顧客の要求は細かいため、それらに答え続けて、信頼を得てきた自信がGREEN LEAFにはある。

 

「ベトナムへの進出企業が多いですが、車のシェアサービスの進出を始めとし、レンタカー業界の将来は必ずしも明るいとは言えません。今後は、安さか、サービスかの二極化が進み、その中で淘汰される企業も出てくると思います。

価格競争ではなく、『安心・安全・快適』のモットーのもとに、私たちは当初から、高品質なサービスの提供を心がけてきました。将来を見据えても、これだけは変えることなく、今後もサービスを提供していくつもりです。」(Tuan)

 

質の高いドライバー、車両の管理、そして複雑な業務にすぐに対応できる情報管理システムを武器に、口コミで急拡大を続けているGREEN LEAF

 

ベトナムでの移動手段として、彼らの存在はより一層欠かせないものになっていくだろう